台湾・台北市で活動する少年野球のクラブチーム「野球タイガース」が夏休み期間を利用し来日、千葉県柏市に滞在し、プロ野球や高校野球の試合を観戦、地元の少年野球チームとフレンドリーマッチを行うなど、日本の野球に触れ、親しむ活動を行っている。7月15日には同市内のフィールドフォース本社(ボールパーク柏の葉)を訪れ、野球教室を体験。その後はグラウンドに移動し、フィールドフォースが運営する野球教室「エースフォー」の選手らで編成したチームと対戦し、交流を深めた。
台湾の少年クラブチームは増加中

野球タイガース・コミュニティベースボールクラブは2017年に台北市内で創立され、小中学生のメンバーで活動するクラブチーム。
台湾の少年野球では、学校単位で活動するリトルリーグが有名だが、最近ではこうしたチームも増えているという。
「学校の野球は、勝利を第一に目指します。一方、タイガースのようなクラブチームは競技としての野球だけでなく、コミュニティでプレーしながら、チームワークや規律などの意識を育み、野球を通じた人格形成を大切にしています」
そう説明するのは、今回のタイガース来日プログラムで橋渡し役を務めている「ジャスト・ベスト・リーグ」の謝閔治ゼネラルマネジャー。ジャスト・ベスト・リーグはタイガースのようなクラブチームが参加するリーグで、発足6年目。当初は台北を中心にわずか6チームでスタートしたが、今ではその活動も台湾全国に広がり、200を超えるチームが大会やリーグ戦に参加している。
使用球は軟式。タイガースは以前にも来日しており、今回はツアーをコーディネートするホップステップJAPANの星野浩二社長の計らいにより、野球観戦から交流戦と、約1週間、千葉県で日本野球の体験を続けている。
日ハム・福田さんの紹介で実現

フィールドフォースには、北海道日本ハムファイターズのファイターズ・ベースボールアカデミー時代から交流があり、現在は鎌ケ谷のファイターズスポーツ&エンターテイメントの開発本部でディレクターを務める福田恵介さんから、星野さんの紹介があり、今回のツアーでのコラボが実現した。
15日、午前中に柏の葉公園野球場で高校野球(選手権千葉県大会)を観戦したタイガースナインは、昼過ぎに同野球場のごく近くにあるボールパークに到着。フィールドフォース本社、ボールパーク柏の葉の施設見学の後、さっそく野球教室が始まった。


講師を務めたのはフィールドフォースの成田雄馬、今泉翔太、原汰希、関口凜太、そして片岡安祐美のほか、元侍ジャパン戦士の秋吉亮さんも。タイガースの選手らは3班に分かれ、ピッチング・送球と守備、打撃の基本練習に取り組んだ。
ボールパークのピッチングエリア、バッティングエリア、多目的エリアを広く使った教室では、ときに通訳が追いつかない場面もあったが、各エリアでは選手らと講師陣の元気な声が響いた。

学年を分けみっちり2試合
野球教室が終了すると、エースフォーの野外教室でも使用している、市内の富勢運動場に会場を移し、エースフォーの受講生たちによるチームと、タイガースによる交流戦が行われた。

タイガースは22人の参加選手を低年齢層と小学高学年&中学の2チームに分けて、1時間制限の2試合を行った。2試合目の高学年戦ではエースフォーチームに、タイガースから中学3年の呉宣澔選手が“助っ人”として加わる一幕も。両チームの応援席から大きな声援が飛び交うなど、白熱の戦いが繰り広げられた。

エースフォーの一員として先発のマウンドに上がるなど活躍した呉宣澔選手には試合後、ゲームMVPが贈られた。「最初は言葉が分からないし、戸惑いもあったけど、チームのみんなが仲間としてフレンドリーに接してくれたし、声を掛けてくれた。みんなのエネルギーを感じ、チームの一員としてプレーすることができ、すごく楽しかったです」と感想を述べ、チームメートたちに感謝していた。

未知の体験、今後の糧に
ナイターでの第2試合が終了し、この日のプログラムは終了。タイガースナインと、エースフォーチームの面々はハイタッチを交わして互いの健闘をたたえ合い、再会を誓って、笑顔で別れた。
「日本の野球からは、プレー以外でも学ぶことが非常に多いと感じています。昼に観戦した高校野球でも、その規律正しさと質の高いプレーに、子どもたちは驚いていました。交流戦では、同年代の選手たちとの試合を楽しめていたようです。台湾の選手たちにとっても、非常に良い経験となります。これからもこうした交流を続けていきたいですね」と謝閔治GM。
野球を通じて、出会いと、未知の体験を重ね、タイガースの選手らには学び多い日本遠征となったようだった。

